暇潰し備忘録

気まぐれに更新する何でも日記

ニジカノ小説大量投下

お久しぶりです。今回はニジカノづくしとなります。
まずはまた走ったイベントの話を。

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前半特効10連、後半特効90連、合計100連で手に入れた報酬です(^q^)
ここまで特効が出なかったのは初めてでした・・・最高記録としてここに残しておきます。
ガチャチケだけでは足りず、NPもつぎ込む事に。しばらく課金が出来なくなりました。
可愛いのでよしとしておきましょう・・・。

ニジカノ小説の方ですが、なんとか六人目追加前に完成したので投下します。
ついでに、ゲーム内コメント欄でやっていた茶番・・・もといメインストーリーの補足として書いた、うちの子達との出会いの物語も出来たので一気に載せようと思います。
めちゃくちゃな話ですが、暇があればお読みください。


ショートショート「新生活始めます?」

 何時もより少し静かな茶の間。ポップな電子音の中に、サラサラと筆を滑らせる音が混じっていた。

 マッチングの不運により敗北を喫した似鳥が、コントローラーを投げ出し炬燵布団に潜る。四月現在、我が家の茶の間の炬燵は、まだまだ稼働中である。

 と、ガラリと玄関の戸が開き、買い物袋を両手いっぱいに下げた華藍が帰宅した。

 開け放たれた障子戸の間から中を覗き、少し微笑んで、台所に食材を収めに行った。

 

 この春から、風鈴は高校一年生、月は中学二年生として学校に通い始めた。家に人気が少ないのはその為だ。

 今この家にいるのは、自室にこもっている夜空、台所に華藍、茶の間に似鳥と、星凪。

 一番の新入りである彼女が、この筆の音の出どころである。

 

 星凪は、ある日突然我が家に「届いた」ニジカノだ。郵便物として、三十センチ四方のボール箱に入っていた。

 送り主の名前はNationalAeronauticsandSpaceAdministration、誰も読めず、どこから来たのかわからないまま開封する事になった。

 箱の中身は、虹色のスライムだった。スライムはもぞもぞと動き、自力で箱を脱出し、突然輝きだすと――可愛らしい少女の姿になった。

 この正体不明の生物を、我が家では家族として迎え入れ、現在に至る。

 

「今時手紙とは筆まめだな、セナ、誰に送るんだ?」

 食材を仕舞い終えた華藍がお菓子を持って茶の間にやってきた。炬燵のテーブルにお菓子を置き、お茶を淹れながらそう尋ねる。

 筆を走らせたまま、星凪は楽しそうに答えた。

「N〇SAなのですぅー♪」

「ナサさんというのか、どんな人なんだ?」

「人じゃないのですぅー、アメリカ航空宇宙局、N〇SAなのですぅー♪」

「あぁ、そのN〇SAか……N〇SA!?」

 危うく落下しそうになった急須を、炬燵から出てきた似鳥がキャッチした。

「時々手紙書いてるのは知ってたけど、あれ全部N〇SAに送ってたの? セナって何者?」

「N〇SAはセナのお友達なのですぅー♪」

 にこにこと手紙を綴る星凪。よく見ると、綺麗な筆記体で流暢な英文が書き込まれている。

「只者ではないのはわかっていたが……思っていた以上に規模が大きい話だった……」

「N〇SAがお友達ねぇ……じゃあ、セナは宇宙人ってところかしら? なんて」

「その情報はまだ開示できないのですぅー、ごめんなさいなのですぅー」

 「ひ、否定しないのね……」と、流石の似鳥も頬を引きつらせる。

 得体の知れない存在と同じ部屋にいるという状況。しかし、不思議と微塵も恐怖を感じない。

 宇宙人だろうと何だろうと、星凪は星凪。今までやってきた四人も、それぞれ事情を抱えていたが、そんな事は気にしない。

 

 今ここにいるカノジョがどんな人か、今一番近くにいる自分たちが、一番よくわかっているのだから。

 

「……セナ、それ書き終わったら、一緒にゲームしましょう。こっちのソフト、協力プレイできるのよ」

「はいなのですぅ! 早く書くのですぅ、待っててなのですぅー♪」

「切手代、お小遣いと別に出すよ。いつでも好きな時に手紙が書けるようにね」

「ほんとなのですぅ!? でも、そんなにいっぱい送らないのですぅ、お小遣いで十分なのですぅ」

「N〇SA以外にも送ったらいいじゃないか。ボク達に送ったっていいんだ」

「そうなのですぅ!? セナ、たくさんお手紙書くですぅ♪」

「……ほんと、セナは可愛いわねぇ」

「あぁ、我が家のマスコットだからな」

 手紙を書く星凪を見ながらお茶を啜る、茶の間は何時もと同じ温かい空気に包まれている。

 ふと、外から賑やかな話し声が聞こえてきた。華藍が時計を見る。三時過ぎ、そういえば今日は早上がりか。

「ただいま帰りましたぁ」

「帰還したぞ! おやつはあるか!?」

 ドタバタと玄関を開け上がり込んできた制服姿の二人に、華藍がとりあえず手洗いうがい、と洗面所を指さす。ぽいぽいっと鞄を投げ出し廊下を走っていく月の後を、風鈴が鞄を拾って付いて行った。

 学校に通って数日、二人とも無事に学園生活を楽しんでいる様だ。特に風鈴は新しい友達が出来たらしく、よく話を聞かせてくれる。「面白い男の子なんですよぉ」と風鈴が楽しそうに話す度、何故か似鳥がニヤニヤするのだが、他の皆はその理由がわかっていない。

 何時の間にか部屋着に着替えた二人が茶の間に戻ってきた。月は一目散におやつのエ〇ゼルパイに齧りつく。風鈴は、星凪の手紙を覗き込んだ。

「セナちゃん、またお手紙書いてるんですねぇ」

「N〇SAに送るそうよ。あの、セナが家に来た時の段ボール、変な名前の送り主だったでしょ、あれN〇SAの正式名称なんだって」

「へぇ、そうだったんですかぁ……N〇SA!?」

「ふぁふぇふぁ……ごくん、我は気づいておったぞ、セナが只者ではない事を……!」

「いろんな姿に変身するスライムなんてどう見ても只者なわけないじゃない……」

「それは言わない約束ー!」

「カキカキ……終わったのですぅー! ゲームなのですぅ! あっ、おやつも食べたいのですぅ!」

「おやつもゲームも逃げないよ、お茶熱いから、ゆっくり飲んで」

「はいなのですぅ!」

 春の日差しが暖かい午後。今日も我が家は平和だった。

 

 運命の時が迫っているのを、カノジョ達はまだ知らない……。

                                     おわり。

 

ニジカノの追想・華藍編

 ボクの家は、とある邪神を崇める宗教団体に所属していた。とはいえ、その環境が異様である事に気づいたのは中学に上がってからの事だ。

 ボクは生まれた時、教祖様から「アンドロメダの巫女」の称号を授かった。それは、数百年に一度降臨するとされる神への生贄。この時から、ボクの命は限りあるもので、大切なものであると、ずっと言い聞かされてきた。

 学校には通っていても、誰とも遊ぶ事は許されず、勉強以外では外に出られない。一日に何時間も礼拝堂で祈りを捧げ続ける。

 同級生達がする話題のお店や、テレビの話を、ボクには必要ないものだとずっと言い聞かせてきた。

 

 そんなある日、雨音結衣に出会った。

 

「貴方には、不思議な力がありますね。私も、不思議な研究をしているんですよ」

 彼女はボクを見て、にこりと微笑んだ。わざわざ隣のクラスから、意味不明な事を言いにやってきたのか。

 雨音さんはスマートフォンを取り出し、とある画面を見せた。

「虹色カノジョ、二次を超えて現れる少女。ざっくり言うと、二次元を三次元に変換するシステムの研究ですね。まだ試作段階ですが……ほら、見てくださいこの子、すでに自我を持っていて、自由にコミュニケーションが取れるんですよ」

 画面の中では、白いワンピースの少女が手を振っている。……これを現実に出現させるなんて、とんでもない夢のような研究だ、と内心思った。けれど、よくよく考えれば、こちらの邪神なんて存在も馬鹿げている。

「……その話、詳しく聞きたいな」

 ほんの些細な好奇心だった。ルーティン化した毎日を少しだけ変える、そんな程度の事を期待していた。

 彼女の話は、期待の遥か上を行った。

 

 世界には、まだまだボクの知らない面白いものがたくさんある。気づかない振りをしていた、気づいてしまった。

アンドロメダの巫女? こんな馬鹿みたいな話に、どうしてボクの人生を縛られなければならない?

 両親に話した、「教団を抜けたい」と。「巫女様が馬鹿な事を言うな」とこっぴどく叱られた。

 馬鹿な事を言っているのはどちらだ。ボクはただ、人並みの生活が送りたい、それ以上なんて望んではいない。

 ボクは、ついに家出を決意した。

 荷物を持って教会を出る時、後ろから教祖様の声が聞こえた。

「神は其方の行動を止めはしない。しかし、どこで何をしようとも、巫女たる運命は変わらない」

 呪いの様に響く声から、ボクは耳を塞いで逃げ出した……。

 

 雨に打たれながらボクが駆け込んだのは、虹色財閥が所有する研究所だった。そこには、白衣姿の雨音さんがいた。

 「運命から逃れたい、どんな手を使ってでも」そう訴えると、彼女はとある一室にボクを案内した。

「二次元を三次元に出来るなら、また逆も然り。研究の応用で、人間をニジカノにする事が出来るという事もわかったんです……理論上は」

 「何せ、倫理的に臨床実験は出来ませんでしたから」と苦い顔をする雨音さん。だが、ボクをここに連れてきたという事は、そういう事だろう。

「実験台でも、何でもしてくれ。……お願いします」

 ボクの目を見て、雨音さんは不安そうだった表情をキッと引き締めた。

「では、花守華藍さん、貴方を『ニジカノ』にします」

「……よろしくお願いします」

 大きな装置が起動し、ボクの意識は、小さなスマートフォンの中に吸い込まれていった……。

「どうか貴方が、素敵な人と巡り合えますように……」

 

「初めまして」

 「ニジカノ」としてスマートフォンから出てきた時、ボクは記憶を失い、姿形も変わっていた。

 しかし、徐々にその姿を取り戻していくと、共に記憶も蘇ってきた。

 「華藍」、同じ名前を与えられたのに、そこにあるのは全く異なる、普通の生活。家事をして、テレビを見て、デー……お出かけして。

 ――こんなにも、笑って。

 もう、忌々しい教団に縛られる事もない。過去と決別して、ここで新しい家族と生きていく。人並みの幸せが、ずっと続いていくのだ。

 そう、思っていた……。

 

ニジカノの追想・似鳥編

 台所から爆発音が響く。少し目を離すとこうだ。家事は夜空がやると言っているのに、華藍はどうしても自分で作りたいと言う。正直、どちらの料理も酷いものだが、まだ食べれるものが出来上がる分だけ自分の方がましだと夜空は思っている。

 しかし、度重なる失敗により、調理道具達はそろそろ限界だ。

「め、面目ない……」

 煤を払いながら、華藍が肩を落とす。これだけ回数を重ねれば、流石にもう、慰めの言葉をかける事もない。

 が、一つ朗報があった。

「雨音さんから連絡があって、もうすぐ二人目のニジカノを任せてもらえる事になったんだ。料理が出来る子に育てれば、万事解決だ!」

 良い事を思いついたと嬉しそうに話す夜空。華藍は内心「そういう事ではないのだが……」と思いつつも、毎日まともな料理が食べれるのならその方がいいか、と納得した。

「おっ、来た来た、ほらカラン、この子が新しいニジカノだよ!」

「ほう?」

 画面を覗くと、懐かしい姿の少女がいた。デフォルトの姿、ニジカノなら誰しもが通る道。

 しかしその懐かしさも、ほんの一瞬の事だった。

「もう見た目も性格も決めてあるんだ! これとこれを着せて、目の色はこれで……出来た、出ておいで、ニトリ!」

 スマートフォンの画面が光を放つ。その光は人型になり、やがて一人の少女となった――。

 

「初めまして、あなた!」

 スマートフォンの中で、あたしは生まれた。着せ替えされてすぐ、どこかの家の中に、実体として出てきた。

 目の前には二人、ご主人である夜空と、先輩ニジカノの華藍……何故か上半身が煤けている。

 キラキラと目を輝かせて、夜空があたしに話しかけた。

ニトリ! 料理は出来るかい?」

「料理、ですか? はい、普通の家庭料理とかなら」

「これは頼もしい! 早速で悪いが、今晩のごはんを頼めないだろうか」

「わかりました、エプロンを貸してください」

「借りる、ではないよ、ニトリはもう家族なのだから、家にあるものは好きに使ってくれで構わない」

「わかりました……では、これを使いますね」

 あたしはキッチンの壁にかかっていた、白いフリフリのエプロンを手に取った。華藍から何かピリッとしたものを感じたが、気にせずに着る。

 冷蔵庫の中身を確認し、ざっと五品ほど作った。

「うまい……店の味だ……!」

「こ、これが本物の料理というものなのか……!」

「い、今までお二人は一体何を食べていたんですか……?」

 極々普通の豚の生姜焼き定食のようなものだったのだが、感度の涙を流す二人に若干引いた。

 

 次の日。朝食を作り、空になった冷蔵庫を見て、あたしは不思議な感覚に囚われていた。

 背後から、夜空の声がする。

「食材がなくなったのか、ニトリ、買い物に行ってくれないか?」

「………」

 定型文しかなかったあたしの中に、ぐるぐると渦巻く新しい感情。今思えば、これが自我が生まれた瞬間だったのかもしれない。

「行きたくない、です」

「えっ?」

「家から、出たくないです」

 ぱたんと冷蔵庫を閉め、夜空と華藍に向かって、言った。

「あたしはずっと家でごろごろしていたいです。家の事はやります。でも、買い物はあなた達が行ってください。アイラブインドア、アイラブマイハウス、です!」

「「……えっ!?」」

 何故か夜空は、雨音さんという人に電話をかけた。

『ええと、ニジカノは貴方のなってほしい姿になるので……それが、貴方の望んだ似鳥さんという事に、なりますね……』

「引きこもり属性がですか!? そんな覚えありませんよ!?」

『自覚がなくても、深層心理で思っているという事もあるので……とにかく、大切にしてあげてくださいね(プツッ、ツー、ツー、ツー)』

「ちょっと待ってくださ、あっ、切れた!」

 何やら揉めている様子。あたしは我関せずと、茶の間でお茶を啜る。

「……つまりは、ヨゾラのせい、という事だな?」

「何でこうなった……?」

 頭を抱える夜空。そう言われても、あたしにもわからない。

「うーん……ヨゾラ、ニトリを生み出す際に、何か参考にしたものとか、ないか?」

「えっ? ……まあ、あるには、あるけど……」

「何だ?」